写経をはじめよう!5分でわかる作法と書き方

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写経を始めてみたいけれど、「何が必要でどのように書けばいいのか?」という疑問を抱える人は多いのではないでしょうか。

そこで、写経を始めたい方や写経についてもっと知りたいと思っている方に向けて、写経の基本や作法を紹介します!

写経は一見難しく見えるかもしれませんが、実際に始めてみると簡単に取り組むことができますし、続けると奥深い喜びを見つけることもできます。ぜひこの記事を読んで写経に触れてみてください!

写経とは?

写経とは、仏教の教え、人間が生きていくうえでの考え方、救いの道を説かれた釈尊(釈迦)の教えである経典を書き写すことを指します。

仏教の各宗派でさまざまな写経がありますが、現在は「般若心経」を書き写すことが多いです。
般若心経は262文字の短い文章で、空という概念についての智恵を凝縮した経典です。現在、多くの人に親しまれているこの般若心経は、有名な玄奘三蔵が漢訳したものです。

般若心経は宗派を問わず使われ、仏教の要点を簡潔に述べたお経ですので、どなたでも写経を行うことができます。

写経をすると期待できる効果

写般若心経の功徳(ご利益)についてはさまざまに語られますが、写経を行う間に心が静まり「澄心(ちょうしん)」(雑念が消えて、澄み渡った心)に至れると言われています。

また、集中して書くことによって「脳を活性化させる」という効果も期待できます。

さらに、心を静めて一字ずつ丁寧に書くため字の書き方を覚え、自然と字の書き方が上達していきます。

写経を始める際に必要な道具

写経を始める際に必要な道具はいくつかありますが、初めての方は次の2つだけで簡単に始めることができます!

①筆ぺん

筆の使い方に慣れていない場合は、まずは筆ぺんから始めてみましょう。
特に硬筆は芯先が硬くコシがあり、筆文字を表現しやすいため、入門者におすすめです。

写経は小さな文字を書き連ねるため、特に「極細」、「細字」など細かい文字が書ける筆ぺんが適しています。

②なぞり書き用紙

薄くお手本が印刷されており、なぞるだけで簡単に写経ができる用紙です。
文字をなぞるだけなので、はみ出したり書き間違えることも少なく、入門者におすすめです。

まずは簡単に試してみたいという方は、筆ペンとなぞり書き用紙の2つで簡単に写経を始めてみましょう!

より本格的に写経を始めたい場合は、以下の道具を揃えてください。
※本記事では簡易的な方法をご紹介しています。

①墨
②硯
③筆
④写経用紙
⑤お手本
⑥下敷き
⑦文鎮

写経の作法

写経には作法があり、正しい作法で行うことでより集中して書くことができます。

①まず、明るく静かな、気持ちの落ち着く部屋で、室内を片付け、机に向かいます。

②深呼吸して、心身を清浄にします。
※お寺の写経場などで行われる本格的な写経会では、塗香(ずこう)を掌に塗る・室内に薫香を焚きしめ丁子(ちょうじ=クローブ)を口に含む等をして行いますが、ここでは簡易的な方法をご紹介します。

③心を落ち着かせたら書く姿勢に注意し、書き始めます。
机と体をこぶしの幅くらい(約10センチ)にし、椅子は背もたれにつかないよう浅く座ります。上体は後ろに反らしすぎないようにし、足は少し広げましょう。必ず書いている文字が正面になるように、用紙を置いてください。

写経の書き方

筆の持ち方

筆の持ち方には「単鉤法(たんこうほう)」と「双鉤法(そうこうほう)」の主に2種類あります。

①単鉤法(たんこうほう)

親指と人差し指で筆軸を支え、中指を下から添えます。
(指先に力が入りやすく、細かい字に適する)


②双鉤法(そうこうほう)

人差し指・中指・親指で軸を持ち後ろから薬指で支えます。
(筆に自由度が増して強い画線が得られる)

※上記は持ち方の一例です。難しければ、書きやすい持ち方で始めてもかまいません。

写経の書き方

作法に倣い、心を落ち着かせたら姿勢に注意して書き始めます。
写経では1行に17字が入るため、お手本となる般若心経を見ながら文字の大きさを考えながら書いていきましょう。

初心者の方は、お手本になぞり書き用の用紙を下に敷いて、文字をなぞる「模写」という方法が綺麗に書けるのでおすすめです。
1文字大きさや筆の動かし方が分かりやすくなり、書き方をなぞりながら覚えていけます。

模写に慣れてきて「模写」に飽きてきた方は、お手本を横に置いて見ながら書く「臨書」という方法もあります。

ご自身の成長具合に合わせて挑戦してみてください◎

最後に

初めは難しく見えるかもしれませんが、実際に始めてみると簡単に取り組むことができますし、奥深い喜びを見つけることもできます。
ぜひこの記事を読んで写経に触れてみてください。

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